1. 情報セキュリティブログ ホーム
  2. インターネット利用時の「詐欺」から身を守る対策講座
  3. 第1回 ECサイトの利用に潜む「詐欺」のリスクから身を守るケーススタディ
このエントリーをはてなブックマークに追加 Clip to Evernote Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをBuzzurlに登録 Buzzurlブックマーク数 Google+

インターネット利用時の「詐欺」から身を守る対策講座

第1回 ECサイトの利用に潜む「詐欺」のリスクから身を守るケーススタディ

ECの詐欺被害を防ぐチェックポイント

日本では手に入りにくい、日本よりも安く手に入るという理由で、ECサイトを利用し、海外のカジュアルブランド品を購入するケースが増えています。しかし、商品がニセモノ(コピー品)だった、あるいは、商品代金を支払ったものの商品が届かない(サイト運営者と連絡が取れなくなる)といったトラブルが急増しています。特に、最近は商品が届かないという被害事例が圧倒的に多いです。

特に、海外サイト(サイトの表記は日本語でも、「.com」「.net」など海外にも割り振られたドメインを使用しているサイト)の場合、代金支払後に商品の交換や返金を求めることがほぼ不可能になるため、注意が必要です。被害に遭わないためには未然防止が重要です。以下の事例に沿ってポイントを解説します。

事例1:海外サイトでのブランド品購入にまつわるトラブル(商品未着、詐欺サイトに個人情報を使われる)

<相談事例1>

海外ブランドのダウンジャケットを2万円で注文した。サイト上ではカード決済ができるとあったが、注文後のメールで「今、カードは使えないので現金で振り込んで欲しい」といわれ、指示された個人口座に代金を振り込んだ。しかし、商品は届かずメールの返信もない。

<相談事例2>

スポーツ用品を扱うECサイトの運営責任者に勝手に名前を使われ、住所も勝手に使われている。2ヵ月前に、このサイトと作りが似たようなサイトで商品を購入し、振込をしても商品が届かず被害に遭ったことがある。そのとき、商品の届け先として登録した個人情報が心配になり、ネットでエゴサーチ(自分の名前で検索)したところ、今回のサイトを発見した。

<解説>

日本人をターゲットに、海外ブランド品を扱う偽のECサイトが多数確認されています。サイトの表記は日本語ですが、多くの場合、海外ドメインを用い、外国人が運営しており、安心して取引できるように見せかけて、偽物の商品を販売するサイトや取引後に全く連絡が取れなくなる被害事例が急増しています。

また、個人情報の流用も問題となっています。サイトに表記された住所は実在し、責任者の氏名や電話番号も書かれているものの、これらは、全くの第三者の個人情報が勝手に流用されていることが多く、中には過去の被害者の個人情報が流用されるケースもあります。

被害の背景には、人気のブランド品は品薄であることが多く、何としても手に入れたいというユーザー側の心理が働くことが挙げられます。ブランド品は、1商品あたりの生産数が少なく、また、増産しないことが希少価値となるため、人気の商品はどうしても品薄になります。こうした人気の商品を手に入れたい人が、検索サイトなどで「ブランド名 激安」などのキーワードで検索し、表示されたサイトに訪れるケースが多いのです。

犯罪者側も、こうした心理を利用して、正規品の販売サイトとそっくりな見た目のサイトを作ります。検索サイトに表示されたサイトで、見た目が本物とそっくりなサイトであれば、信じてそのサイトで買い物をしてしまうかもしれません。また、最近では、国内の金融機関の個人口座や、クレジットカードという決済手段に加え、海外の金融機関の口座への振込送金を促す手口も増えています。

<対策>

上述の通り、偽サイトは正規サイトの見た目そっくりに作ってあることがあるため、そのサイトが正規かどうかを見た目で判断することは難しいです。被害を未然に防ぐためには、これさえチェックすれば万全というポイントはなく、最低でも以下のチェックポイントを確認し、総合的に判断する必要があります。

(1)事業者情報の確認
正確な運営情報(運営者氏名・住所・電話番号)が記載されているかどうかを確認する。また、検索サイトや地図サービスなどを使って運営者の住所を確認したり、事業者名やURLを検索してネット上に評判がないか確認する。

(2)サイトの見た目やURLを確認
サイトに不自然な日本語の言い回しがないか確認する。また、日本語サイトではあまり使われていないようなフォントが使われていないか確認する。サイトのドメイン名(URL)を確認し、とってつけたように長く、ややこしい感じのURLを用いているサイトは疑ってかかる。

(3)掲載内容の確認
正規販売店の販売価格よりも極端に値引きされているものに注意。有名ブランドの過度な値下げ品は、安易に購入しない。

(4)支払い方法の確認
支払い方法が銀行振込のみで、クレジットカードが利用できない事業者には注意する。特に海外の金融機関の口座への振込は危険だ。例えば、事業者の所在地が東京で、振込先の口座が遠隔地の金融機関の口座という場合は疑ってかかる必要がある。

(5)配送方法やキャンセルポリシーの確認
サイトの特商法(特定商取引に関する法律)表記を確認し、商品の配送方法やキャンセルポリシーを確認する。両項について明確に記載がない場合は利用を控えた方が無難だ。

なお、<相談事例2>についても、被害に遭わないためには未然防止が重要ですので、上記のポイントを参考にして下さい。

上記に加え、最新のセキュリティソフトの中には、詐欺サイトのフィルタリング機能が備わっているものがあるので、そうしたソフトの利用も有効な場合があります。

<万一、トラブルに遭った場合の事後対応>

万一、被害に遭った場合は、最寄りの警察に通報しましょう。警察に通報することにより、偽サイトのURLが有害サイトのデータベースに追加され、セキュリティソフトのフィルタリング機能に反映されるので、今後の被害を減らすためにも警察への通報が推奨されます。

(1)クレジットカード決済の場合は、クレジットカード会社に対して返金の申し立てを行う

(2)銀行振込で決済した場合は、消費生活センターまたは警察に相談し、事業者の銀行口座の凍結を依頼する

(3)<相談事例2>については、警察に通報、相談の上、当該サイトに個人情報掲載を取りやめるよう働きかける

海外口座の場合、国内の口座ではないため、警察などによる口座の凍結ができず、一度振り込むと返金などの事後の救済を受けることがほぼ不可能になるので、注意が必要です。

事例2:フリマアプリでの個人間取引

<相談事例3>

スマホアプリのフリーマーケットを通じて、出品者からブランド品の靴を正規品として購入した。しかし、商品が到着してみると靴裏の表記が正規品と違うことに気づいた。出品者に問い合わせると「自分は正規品として出品したが、ニセモノだった場合は返金に応じる」という。商品を鑑定したところニセモノだったため、返金要求をしたが連絡が取れない。フリマの運営会社からは「取引は成立しており、出品者はすでに換金しているので何もできない」といわれた。

<解説>

スマートフォンで利用できるフリーマーケットのアプリが人気です。ECやフリーマーケットを運営する事業者や、SNSの事業者などがサービスを提供し、アプリを公開しています。出品者はアカウント登録し、売りたい商品をアップロードし、買いたい人が直接出品者に申し込んで取引が成立する仕組みです。

スマートフォン向けのフリマアプリは多数公開されており、国内の大手事業者だけでなく海外の事業者も日本語のアプリを公開しています。中には、個人情報の登録など、面倒な手続きなしにアカウント登録できるものもあり、スマートフォンの手軽さも相まって利用者が増えています。しかし、こうした利便性の一方、フリマアプリの個人間取引でニセモノを買ってしまったという相談も増えています。

<対策と注意喚起>

個人間取引におけるフリマサービスはスマホアプリに移行しつつあります。スマートフォンで気軽に取引に参加できる一方、個人間取引は、キャンセルや返品条件などが曖昧な状態で取引をしていることが多いのも事実です。

被害を未然に防ぐためには、まずは、国内の信頼できる事業者の提供するサービスを利用するようにし、サービスを利用する前に、利用規約をよく読みましょう。大手のサービス事業者であれば、コピー品が出品されていないかをチェックし、排除するような機能を提供しているところが多く、また、アカウント登録の際に利用者の個人情報をきちんと登録させ、利用者に誠実に取引に参加させるよう働きかけています。また、代金の支払いに決済事業者のサービスを利用していることが多く、商品が届かない場合の補償が可能になるため、商品が届かないというトラブルを防ぐことが期待できます。

しかし、多くの事業者は、商品が届いた後のトラブルについては、基本的には関与しません。取引成立後、届いた商品がニセモノだった場合は、当事者間でトラブルを解決するしかなく、非常に解決が困難な場合があります。

フリマサービスなどの個人間取引は、誰でも気軽に参加できる利便性がある反面、相当なリスクがあることを覚悟して利用する必要があるのです。

関連キーワード:
6
参考になったらボタンを押してね
インターネット利用時の「詐欺」から身を守る対策講座の記事一覧

監修プロフィール

一般社団法人ECネットワークについて

一般社団法人ECネットワークは、「安心して参加できるインターネット取引市場」の実現を目指して、会員企業への情報提供やコンサルティングを行うとともに、一般消費者のネット取引に関するトラブルの相談を無料で受けています。