情報セキュリティブログ ホーム > 大江戸セキュリティ戯画 > 第二幕 第五話 つぶやいて候

「ごほごほっ、このスケハチが風邪をひくとは情けない...ごほっ!」
「くぅ~ん...」
「スケハチさん、大丈夫?まだ、何も食べてないでしょ?
お粥でもつくりましょうか?」
「オツルちゃ~ん...。ありがとう...ごほっ!」
「コタロウ君!今日もよろしく頼みますよ!
君が入ってから、さらに忙しくなってきましたからね!」
「はい!がんばります!」
「ふう...一段落ついたかな」
「む、コタロウ君、なにをやっているんだね?」
「あ、これはちょっと電網手紙(電子メール)を確認しているところで...」
「あまりこの越後屋の中で携帯電話をカチカチしないように。
お客さんの目もありますからね」
「はあ...」
「今日もつぶやいて候...っと」
「う~ん...、なにかいやな予感がするけど...」
「何言ってるのよ、今日はじっとしていなさい!」
「は~い...」
「越後屋さん、今が狙い目ですよ!大川端に多目的大型店舗を一緒に構えようではありませんか」
「う~む...」
「聞き取り調査もバッチリです。もし多目的大型店舗が出来た場合、9割の町民は利用すると言っています!」
「う~ん...」
「越後屋さん!ぜひ、われわれと一緒に!さあ、ご決断を!」
「わかった、わかった、そこまで言うのなら...
よし!一緒にやってみようじゃないか!」
「三河屋に先手を取られましたよ!
電光石火のごとく、うちらが進出を予定していた大川端の土地を買い漁り、
同じような大型多目的店舗の建設に着手したんですよ!」
「なんだって!?」
「...越後屋さんとの計画が、どうも電網(インターネット)上に流れているらしいのですよ...
お宅の情報セキュリティ対策、万全ですか?」
「疑っているのかい?冗談はよしてくれ、
ウチは人一倍セキュリティに力を入れているんだ」
「まあ、いいですよ...、ウチは三河屋と組むことにしましたからね。
この間のことは無かったことにしてもらいますよ!」
「スケハチさん、ちょっと来てもらいたいのだけど...、
電網上で、うちの内部情報がでまわっているらしいんですよ...」
「ちょ、ちょっと待ってください、ごほごほっ!、今日は、ごほっ!」
「大丈夫?」
「仕方が無い... か、かわりにクロハチって男に電話してみてください。
ちょっと暑苦しいけど、信用出来るやつです。
ごほっ、で、電話番号は...」
「これだな、ニャンクリック。動かぬ証拠だな。」
「...クロハチだ。なに、スケハチから?
んー仕方が無い、すぐに向かう!」
「ニャンクリックよ、お主の情報が早速活かされるぞ!」
「にゃ~ん!」
「クロハチさん、
どうやら電網上に越後屋の内部情報が漏洩しているらしいんですよ。
一緒に調べてくれませんか?」
「うむ。喜んで手を貸そう!ネコの手もあるぞ!」
「にゃ~ん」
「......。」
「と、言いつつ、拙者が電網を閲覧中にたまたま見つけたこの電網頁(ホームページ)、
越後屋殿が探しているものでは...?」
「え?どれどれ...」
「こ、これは...!」
「こと細かく漏洩しているようだな...」
「にゃん」
「コタロウです」
「入りなさい」
「なにもかも、この越後屋の中のことが筒抜けではありませんか!
うちは信用で成り立っているんですよ!」
「す、すみません...、つい調子に乗っちゃって...」
「おほん、コタロウとやら。
場所を選ばず手軽に更新できる電網つぶやきではあるが
その前にお主は「越後屋」という組織の人間だ。
業務上、知り得た情報は秘密であるか否かに関係なく、
匿名であっても発信してはならん!」
「はい...」
「ただ、越後屋殿。発信する情報さえしっかりと管理しておけば、
電網つぶやきは宣伝効果の高い道具になることは間違いない」
「うむ、わたしもそれを考えていたところです。
コタロウ君、バツとして君には越後屋の宣伝に尽力してもらいますよ」
「はい!」
「へぇ~、越後屋さん、電網つぶやきなんてはじめたんだぁ...」
「商魂たくましいなあ、越後屋さんは...」
「あれ?」
「......」
「......」