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日本人とセキュリティ・リテラシー ~キム准教授の分析(前編)(1/2)

大学准教授にしてTVキャスター、さらには各種政府委員会の民間委員を歴任するなど、その活躍フィールドの多様さが半端ではないジョン・キム氏。甘くセクシーな外見や所作とは裏腹に、個人のセキュリティ・リスクに対するアツい使命感が、先生の精力的な活動を後押ししています。


ジョン・キム

ジョン・キム

慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科准教授

ハーバード大学法科大学院 客員教授

1973年韓国生まれ。日本の中央大学に国費留学。米国インディアナ大学博士課程修了(マス・コミュニケーション)。英国オックスフォード大学上席研究員、米国インディアナ大学講師、ドイツ連邦国防大学上席研究員、日本知的財産研究所招聘研究員、欧州連合標準化戦略専門委員。2004年から慶應義塾大学デジタルメディア・コンテンツ総合研究機構准教授。フジテレビ「BSプライムニュース」ブレインキャスター。内閣官房、経済産業省、総務省、文化庁等の民間委員を歴任。韓国Naver社諮問委員。情報通信学会理事、コンテンツ学会事務局長。著作「ジョン・キムのハーバード講義 逆パノプティコン社会の到来」ディスカバー・トゥエンティワン 2011


■■コスト/ベネフィットだけでなくコスト/リスクの意識も

★セキュリティへの関心をもったきっかけは何だったのでしょう?

―IT政策のプロジェクトをやっている中で、今まで中心となる議題は著作権とかの問題が多かったのですが、最近はそのテーマがクラウドに変わってきている。クラウドで発生する政策問題はあらゆるインターネット関連の政策につながっています。プライバシー、データ保護、法律、政府など。そんな、クラウドを前提とした新しいネット社会の中での一番の問題がセキュリティ問題だったのです。情報が共有された社会の中にプライバシーはあるのか?...という共有とプライバシーの攻防をずっと見てきました。その中で最も注目されたのが、思想的な(商業的ではない)アノニマス。彼らのサイバー攻撃事件から社会的にも非常に感心が高まりました。幸か不幸か、日本にはアノニマスが活躍するような風土はありませんでしたが。

今、サイバー攻撃についての本を書いているのですが、それを読んだ方々が個人として、企業として、国としてどう対処すべきかを考えるきっかけにしなければならないという使命感が大きいです。自分自身、セキュリティに関して最初は素人でしたから、素人にとって何が分かりにくく、何が知りたいかも認識しているつもりです。

★世界各国の大学に赴任された経歴を持ち、現在も世界を舞台に活躍されている先生から見て、日本人が持つセキュリティの概念とグローバルにおける認識にはどんな違いがあるとお感じでしょうか?

―サイバー上の攻撃には国境はありません。悪意を持った人はどこからでもグローバルに集まってくる。
今まで日本は、ある種社会の規範の中で守られるような感覚があったかもしれませんが、そういう環境ではなくなってしまっていることに危機感を持たなきゃいけない。遠い場所から物を盗み、それが産業として成り立ってしまっているのを認識することが必要です。難しいですけどね。自分がターゲットになり得る自覚と、攻撃された結果へのイマジネーションと緊張感をもつのが大事です。

ジョン・キム

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