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すがやみつる氏が語る「創作の源にある新しいモノへの好奇心」(後編)〜パソ通黎明期のセキュリティ話とマンガを学ぶこと〜(1/3)

前編に引き続き、マンガ家のすがやみつる氏にお話をお伺いします。後編では、パソコン通信黎明期におけるセキュリティのエピソードや、マンガを学ぶことなどを中心にお話をお伺いしました。

菅谷 充(すがや・みつる):マンガ家・小説家・大学講師

菅谷 充(すがや・みつる)
マンガ家・小説家・大学講師

1971年、石森プロより『仮面ライダー』にてマンガ家デビュー。1983年、『ゲームセンターあらし』と『こんにちはマイコン』の2作で小学館漫画賞受賞。その後、大人向けビジネス情報マンガを多数手がけた後、1994年、娯楽小説家として再デビュー。2011年3月、60歳で早稲田大学大学院修士課程を修了。2012年4月より京都精華大学マンガ学部にて教鞭をとる。

セキュリティの脅威は人の心のスキをついてくる

★印象的なセキュリティ関連のエピソードについて教えてください。

 僕がパソコン通信を始めた頃は、まだコンピューターウィルスを目にする機会はほとんどありませんでした。最初に受け取ったDMは英語で書かれたもので、「サテライト(通信衛星)を買いませんか」という内容で、辞書を引きながらよく調べると「衛星放送のチャンネルの権利を買わないか」ということでした。その次にきたのが、「国際電話の交換機のセキュリティを破ってタダで国際電話がかけられる方法を教える」というもので、どちらもノーサンキューと断ったのを覚えています(笑)。

★まだネットワーク自体も一部の愛好家の世界という空気があったのでしょうか。

 そうですね。技術に詳しいマニアがワイワイやっている空気というのは感じました。それと、当時の商用ネットワークは、アメリカではビジネスマンがビジネスの交流のために使うという色彩が強かったように思います。まだ回線料も高額な時代でしたからね。ですから、身分と名前と住所まで明らかにしてネットワークに参加するという文化というか不文律がありましたね。今ではアメリカでも犯罪などのリスクに配慮して匿名を推奨する流れがあるようですが。

★日本でもネット人口が増えることでセキュリティリスクは高まっていますね。

 システム上の防御という面と、リテラシーというか、人間の意識の側面があると思います。何らかのプログラム、それが有用なソフトであれ悪意のあるプログラムであれ、きっかけは人がネット上で何か行動を起こすときですよね。人の欲望というか、感情が引き金になっていると思います。

菅谷 充:人の欲望というか、感情が引き金になっていると思います。

★使う人のリテラシー向上が大切なんですね。

 そう思います。2005年に早稲田大学のeスクール(人間科学部のカリキュラムがインターネットで履修できる通信制大学)に入学しました。履修する学生は社会人が多いのですが、中にはeスクールを受けるために初めてパソコンを購入したという人もいました。ですから「お助け隊」というボランティアを結成して、設定などのお手伝いをさせてもらいました。

★セキュリティやIT初心者に教える際に心がけることはありますか?

 専門用語や略語の類を極力排することと、手順を解説するときは、その通りにやればよいようかみ砕いて説明することを心がけています。これはパソコン通信のフォーラム運営のときから心がけていたことで、IT用語はとかく英語が多い。ですから、カタカナになっている用語は英語でなくカタカナで表記したり、「コピペ」は「コピー&ペースト」というように略語は使わないようにします。略語を使いたいときは、「正式名称(略称)」のように表記して、次から略称で記すように配慮します。それでいつも文が長くなるといって嫌われるんですが(笑)、藁をも掴む思いでいる人にはそれくらい丁寧でよいのではないかと思います。

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