1. 情報セキュリティブログ ホーム
  2. ITスペシャリストに聞く
  3. 藤川真一氏に聞く「えふしん流・モバイルとネットコミュニケーションの読み解き方」(後編)

藤川真一氏に聞く「えふしん流・モバイルとネットコミュニケーションの読み解き方」(後編)(1/3)

 前編に引き続き、藤川真一氏にお話をお伺いします。後編では、いわゆる「利用規約」に関する開発者としての問題意識や、企業とネットコミュニケーションの問題を中心にお話を伺いました。

藤川真一氏(後編1)

藤川真一(ふじかわ・しんいち)
株式会社想創社 代表取締役

工学部卒業後、製造業の会社にてエンジニアとして新製品開発を行う。2000年からWeb業界に転職。(株)paperboy&co.で、ショッピングモールサイト「カラメル」のプロデューサーなどを務める。2007年に会社員の傍ら自宅サーバーでツイッター接続サービス「モバツイ」を開始。ブログ「F's Garage」ではWebテクノロジーや、ビジネス、情報設計などに関する情報発信を続けている。Twitter IDは@fshin2000。

大事なことはすべて「利用規約」に書いてある

★Webサービスとユーザーとの関係性という意味では、藤川さんは「利用規約ナイト」というイベントを主催されています。

 「利用規約ナイト」は2012年3月に開催しました。これは、主にWebサービスのスタートアップベンチャーを対象にした「利用規約の作り方」の知見を共有するイベントです。弁護士や企業の法務担当者を登壇者に招いて開催したので、サービス提供者、ユーザー双方にとっての勉強会になりました。例えば、モバツイへWebサービスの広告掲載依頼が来た時に何を審査するかというと、サービスの利用規約を審査していました。

★大事なことはすべて「利用規約」に書いてあるというわけですね。

 利用規約はそのWebサービスにとっての"法律"ですから、極端な話、怪しいサービスは、利用規約に何となく怪しいことが書いてあるというわけです。自分たちは法律の範囲内でいかに抜け道を作り、正当に(?) ユーザー情報を取得するかというのが利用規約に反映されているので、利用規約を見るのはすごく大事ですし、規約に定められている、ユーザーに関する情報に敏感に反応するのは正しい姿勢だと思います。

★ユーザーにとっては、利用規約はあまり馴染みがありません。こういうところを読むべきというポイントはありますか?

 メールアドレスなどの個人情報の取扱いの部分には注意したいです。特に初めて利用するサービスの規約は一通り読んでおく必要があるでしょう。ただし、利用規約はその性質上、サービス側はユーザーの許可なくいつでも規約の内容を変更できるよう定めています。これは、利用規約変更のためにユーザー全員の承諾を得ることは不可能な点から仕方のないことで、この部分はユーザーとしては「そういうものなのだ」と諦めるしかないです。

★そうなるとやはり、怪しそうなサービスには近づかないということが大事なのでしょうか?

 結論からいうとその通りです。しかし、僕も一度、ネットショップで詐欺に遭ったことがあります。人気ゲーム機が発売当初に品薄で買えなくて、そこで「買える」というサイトに飛びついてしまったのですが、自分自身、ECサイトの仕事にも携わったことがあるのに、それでも地雷を踏むというのは何なのだろうと思いました。怪しいサイトやサービスは、人の欲望や欲求に結びついていて、人の心理を巧妙についてくるので、自分自身との戦いという側面はあります。

★どこかのポイントで、不審に感じたら立ち止まるということが大事なのですね。

 ネット詐欺に遭ったときも、今思えば危ない感じは随所にありました。特商法(特定商取引に関する法律)に記載されている住所も怪しい感じがしましたし、注文後の対応も、最初はクレジットカード決済だったのですが、途中から「銀行振込に変えて欲しい」という連絡が来ました。この段階でやめておけばよかったのですね。クレジットカードは、ショップ側が詐欺などの不正行為を働くと加盟店契約を解除されるからです。案の定、言われた通りに振り込んだら連絡がつかなくなったというわけです。そうした経験から言えることは、「僕は地雷を踏まないとは言い切れない」ということです。

 でも、ノーヒントで騙されるということはなく、必ず途中で「怪しい」というポイントはあります。ですから、何となく怪しく感じられる状況があったら、そこで立ち止まれる勇気が大事ですね。「ゲーム機が買えなくてもいいじゃないか」という勇気です(笑)。

関連キーワード:
  • K子のちょっとセキュアな日常 Vol.18 スマホのセキュリティ制限を外す行為(JailBreak)はしちゃダメ!
  • カテゴリートップへ
  • IPAが「年末年始における注意喚起」を発表