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安田浩氏に聞く 「情報セキュリティの今までとこれから」 ―インターネット・リテラシーの本質とは―(後編)(1/2)

 前編に引き続き、安田浩氏にお話をお伺いします。後編では、普段スマートフォンやSNSなどを利用する際にセキュリティ面で留意するポイントやその対応策などを中心にお話を伺いました。

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安田 浩(やすだ・ひろし)
東京電機大学教授 未来科学研究科委員長、未来科学部長
東京大学名誉教授 工学博士

1967年東京大学工学部電子工学科卒業、1972年同大学院博士課程修了。同年4月日本電信電話公社入社。NTT理事・情報通信研究所所長を経て、1997年東京大学教授、先端科学技術研究センター所属。2007年より東京電機大学教授。2011年4月より東京電機大学未来科学研究科委員長、未来科学部学部長に就任。高速通信網およびその応用、インターネットおよびその応用、画像処理・画像符号化・知的財産権保護技術の研究ならびに感性工学研究に取組中。

セキュリティは不完全な状態であることを知る

★SNSやクラウド、スマートフォンなどを利用するにあたって、セキュリティ面でどういうところに気をつければよいのでしょうか?

 端的に言うならば、セキュリティとは不完全なものなのです。ある意味、これはしようがないのです。いかに完全なセキュリティに出来るかというのは、なかなか難しい状況です。私が理事長を務めている一般社団法人日本通信安全促進協会(JCSA)では、インターネットに、より安全、よりセキュアな空間の構築を目指しています。もう少ししたらうまくいくかもしれないと思うのですが。
 インターネットなどでいろいろなサービスを便利に使いたいということは、逆に言うと不完全な、安心でないセキュリティ環境下でサービスを利用することを覚悟してくださいねと言うことです。たとえばネット通販でクレジットカードの番号を入れますが、その番号が100%漏れないことはない。それを自覚してください、という話です。

★先生の言われている「インターネットにも免許証を」というのはどういうことなのでしょうか?

 みんながインターネットを利用している現状では、すべてを管理しきれないわけですよ。ある程度、道徳を備えていて、悪いこともしない。セキュリティの勉強もちゃんとしているという人なら使ってもいいですよ。その人にインターネットの免許証を交付することにすれば管理する側も楽でしょ。自動車の運転免許と一緒です。免許制にすれば、情報セキュリティの知識なども向上して、ルールも今よりは守られるようになります。無謀な事故も減るでしょう。そういうことですね。

★インターネットの利用は、自己責任ということなのでしょうか?

 そうですね。インターネットは自分で責任を持ってきちんと利用できる人が使うというのが、正しい。電話網の場合には、電気通信事業法があって電話会社に勤めている人はあれしちゃいかん、これしちゃいかん、というのがあるのですが、インターネットにはそれがないんですよ。ですから、たとえばサーバーの管理責任者は情報漏えいをしてはいけないという資格にしておかなければならないのですが、今はまだそうなっていません。

安田浩氏

★先生が日頃スマートデバイスなどを使う際に心がけていることは、どんなことですか?

 たとえばFacebookでお料理の写真をどんどんアップロードする人がいますね。その人がまったく知らないところで自分の写真が無断で転載されることがあります。転載した人には、マナー違反という意識が薄いのでしょうね。
 FacebookをはじめとするSNSで飲み会の写真を公開している人がいますが、公開するとあっという間に広がります。一番まずいのは、その日重要な会議があったけど、飲み会に来ていた、それがバレるということですね(笑)。勝手に写真を転載した人には道徳性が欠如しているといってもよいでしょう。だから、そのようなリスクがあることを十分に認識した上で利用しなければなりません。

★メールについては、いかがでしょうか?

 メールについて言うと勝手にメールを転送してはいけない、という常識は若干あるかもしれません。それでもほとんどみんな転送していますよね。現状ではパソコンやスマートフォンでも、他人のメールを勝手に開いて閉じたらアラームが鳴るようなセキュリティシステムにはなっていないですよね。つまり、現状のセキュリティは問題があると言わざるを得ないのです。

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