2015(平成27)年のネットバンキング不正送金被害額は約30億円と過去最悪(警察庁)
2016年3月11日セキュリティニュース
3月3日、警察庁は、2015年中のインターネットバンキング不正送金事犯の発生状況を公表した。これによると、被害額は30億7,300万円と過去最悪となった。
2014年との比較では、発生件数は1,495件と、2014年の1,876件から減少しているものの、被害額は約29億1,000万円から30億7,300万円へと増加している。法人被害額が増加し、とくに、信用金庫の法人口座被害が急増している。被害を受けた金融機関は223にのぼり、内訳は、都市銀行が16、地方銀行が53、信金・信組が115、農協・労金が39となっている。
また、被害額の内訳は、都銀等が47.1%、地銀19.5%、信金・信組30.6%、農協・労金2.8%となっている。
警察庁では、被害の手口として、スマートフォン等にSMS(ショート・メッセージ・サービス)を送信して偽サイトに誘導するフィッシングを初めて確認している。また、被害口座名義人の多くがセキュリティ対策を実施していないことが明らかになった。たとえば、個人口座でワンタイムパスワードなどの対策を利用していないユーザーは75%、法人口座で電子証明書を利用していないユーザーは67.8%にのぼっている。
なお、被害額のうち、金融機関が未然に阻止するなどして、不正送金を阻止した金額は4億2,700万円で、実被害額は26億4,600万円だった。
当ブログでは、ネットバンキング不正送金被害を防ぐポイントについて解説する記事を公開しているので(→リンク先)、ご一読をおすすめする。
・(PDF)平成27年中のインターネットバンキングに係る 不正送金事犯の発生状況等について(警察庁)
・2015年のネット不正送金被害は過去最悪に、対策未実施口座が7割も(ITmedia)
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