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弁護士・猪木俊宏氏に聞く「法律実務から見るネットサービスのポイント」(後編)(3/3)

ソーシャルコマースの可能性と、ライフログ活用の問題に注目

猪木俊宏氏

★話を変えて、今、注目しているネットサービスには、どういうものがありますか?

 ずっと注目していると言い続けているのが「ソーシャルコマース」ですね。日本ではSNSという交流の文脈にものを売り買いする商売の文脈を持ち込むのが難しく、また、Eコマースというとアマゾンと楽天が強力すぎて、なかなか次の世代のサービスが普及しないなあという印象です。

★ソーシャルといっても色々な切り口があります。

 そうですね。例えば、ヤフオクというサービスは、個人単位のオークションサービスということで、ソーシャル要素のある画期的なサービスでした。取引の安全性を高める仕組みづくりという点で、ヤフーのような相当な体力のある事業者でなければ成功しなかったと思います。また、少し切り口を変えて、例えば、ギフトなどでは、今ではFacebook上で、相手の住所がわからなくてもプレゼントを贈ることができるサービスなどもあります。

★では、情報セキュリティの観点で、弁護士として注目している領域はどのあたりですか?

 やはりプライバシー情報ですね。人の生活、行動、体験といったライフログをどこまで取得して、どこまで利用していいのかという問題です。この問題の背景には、広告を配信する企業側から見て、従来の広告媒体やプロモーション手法がどんどん効かなくなってきたという問題があるのだと思います。

★新しい広告手法を模索する過渡期にあるということでしょうか。

 そうだと思います。だからどのあたりが許容範囲なのかについての社会的な合意が必要なのでしょう。しかし、考えてみると、ライフログというのは、本当はもっと活用方法があるものです。例えば、私などが考えるのは、失敗パターンを分析して、未然に失敗を防ぐためにライフログを記録、活用するようなサービスです。

★興味深いです。

 人間は何か失敗するときは、必ずいつもと違うことをしていることに思い至ります。例えば、いつもはこの道を通っているのに、今日は通っていないとか、どこかに失敗の兆候が潜んでいるかも知れません。ライフログを記録することで自分の行動パターンを分析し、「いつもの行動パターンと違うパターンが出ているから、近々、あなたは失敗するかも知れません」というアラートを出してくれるサービスなどがあれば、自分なら喜んで自分の情報を提供したいと思います(笑)。

★いずれにしても、本人が望まない用途に勝手にプライバシー情報を使われるのは抵抗があります。

 そうですね。ライフログ活用のあり方というのはこれから中長期にわたっての課題だと思います。広告だけでなく、工業製品への応用、例えば、トイレメーカーが、トイレで健康診断をしてくれるという製品を作るとか、本来であればそういうものへの応用というのも可能性がある話ですよね。

★では、最後に情報セキュリティブログに一言コメントをお願いします。

 すごく色々なコンテンツがあるという印象です。歴史が長いということもあると思いますが、コンテンツが多彩で、情報セキュリティ一本という感じではないので、例えば、ユーザーが最低限気をつけるべきことというのは、もう少し前面に押し出してもいいのかなと感じました。例えば、ミニマムなリテラシーについて、ブログ記事の中から役立つ情報をまとめて見せていくような工夫があると、便利だと思います。

★コメントありがとうございます。ユーザーの方に役に立って読みやすいセキュリティの情報発信を今後も続けていきます。本日は色々なお話をありがとうございました。

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