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守屋英一氏に聞く「今すぐ見直したい、安全なソーシャルメディアとのつきあい方」(前編) (2/3)

エンドユーザー向けのセキュリティのイベントがきっかけで書籍を執筆

★話を変えて、社外活動について、『フェイスブックが危ない』の執筆についてお聞かせください。

もともと、社外活動としては、日本シーサート協議会運営委員を務めており、そこでは会員企業向けにセキュリティの事例会議などを行っています。これは、実際に起きたセキュリティの事例をメンバーで共有し、自社だったらどう対応したかをディスカッションするもので、いわば、エンタープライズ向けにセキュリティの知見を共有する場です。一方、私は、それまで一般のエンドユーザーと直接接点のある仕事はしたことがなかったのですね。そこで、エンドユーザー向けのセキュリティのイベントをボランティアで開催し、それが書籍執筆のきっかけとなりました。

★どんな内容のイベントだったのですか?

最近、エンドユーザーを標的とした攻撃が増えているので、かねてよりエンドユーザーにセキュリティを伝える必要があると考えていました。ちょうどその頃、Facebookを使い始めていたこともあったので、Facebookのユーザー向けにセキュリティのポイントを解説するという内容で、2011年の8月から9月頃に、3回ほどイベントを開催しました。

★参加者はどのような方だったのですか?

一般のFacebookユーザーですので、IT関連の方もいらっしゃいましたが、全くITとは接点のない方もいました。イベント後の親睦会で「こういう話は書籍化して、もっといろんなところに広めていきたいですね」などと話していたら、そのときの参加者の一人が出版社とコネクションのある方で、そこから、あれよあれよという間に出版の話が進んでいきました。

「知らずに漏えい」しないために見直したいFacebookの設定

★『フェイスブックが危ない』の発売は2012年6月です。書籍の内容に関連して、Facebook関連のセキュリティで最新のトピックスなどはありますか?

そうですね。不適切な発言が元でアカウントが炎上するという話があるわけですが、最近の興味深いトピックスとしては、Yahoo!の「リアルタイム検索」機能の話があります。これは、Yahoo!の検索窓にキーワードを入力し、検索窓上部の「リアルタイム」のリンクをクリックして検索を実行すると、キーワードに関連するTwitterとFacebook上の投稿がヒットするというものです。

★SNSでの発言内容が検索結果として表示されると。

はい。Twitterにはもともとキーワード検索機能がありますが、「リアルタイム検索」では、Facebookの投稿も検索対象にしているのです。ご存じの通り、Facebookは実名で、所属先も公開した上で情報を発信している人が多いので、何か不適切な発言をしたときに、それが可視化されるリスクが高まり、かつ、その場合に勤務先などの所属組織まで暴かれてしまう可能性があります。

★見えてないと思っていたものが、実は見えていたというケースが増えてくるのは怖いですね。

「リアルタイム検索」は、情報の公開範囲を「友人のみ」などのように制限しておけばヒットしないのですが、公開にしたままだと全部見えてしまうので、非常に怖いですよね。極端な例を挙げると「会社 セクハラ」というキーワードで検索して、会社の中でセクハラがあったという告発をあぶり出すとか、そういう使い方もできてしまうのです。社員もエンドユーザーの一人ですから、エンドユーザーとしての社員のSNSでの振る舞いに、企業は今まで以上に神経をとがらせていくことになるでしょう。また、企業に関連するリスクとしては「社員が投稿する位置情報」というものもあります。

★位置情報ですか。

ソーシャル上で「今どこにいる」という投稿をするチェックインサービスです。Facebook上でも投稿内容に位置情報を付与することができます。こういうソーシャルチェックインを行うタイミングというのは、社員であれば圧倒的に出張に行ったタイミングなのですね。

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