セキュリティ技術者の育休
はじめに
私は先日まで、約1年9か月の産休・育休を取得していました。 おかげさまで、2児の母になりました。
産休・育休中は、もちろん母体管理・出産・育児の3つを中心として活動していましたが、他にも多少できることがありました。 今回は、私が産休・育休中にどのようなことをしていたか紹介したいと思います。 育児関連のこともそれ以外のこともありますが、興味を持っていただけたら幸いです。
里帰り出産の半年
産前産後の半年ほどは、私の実家で子どもとともにお世話になっていました。 実父母と同居の姉夫婦の助けを受けて、快適な里帰り期間を過ごすことができました。
特に4歳の上の子のケアをしてもらえたのが本当に助かりました。 上の子はこの間は保育園に行かずに家で過ごしていました。 ですが、子どもがずっと家にいてもすぐに飽きてしまいます。 そこで、これを機に習い事を始めることにして、スイミングスクールと公文に通わせました。 ここでも、習い事の送迎などは両親に助けてもらいました。 姉夫婦の子どもが幼稚園や学校から帰って来てからは一緒に遊んでもらえて、上の子も楽しい時間を過ごしていました。 他にも、両親の手入れする畑に連れて行ってもらったり、お風呂に入れてもらったり、いつも楽しく過ごしていました。 本当にありがとうございました。
区のファミリーサポートの利用
里帰りから戻った後は、基本的には親だけで子どもを見ていました。 夫は、育児休暇はほとんど取得しませんでしたので、平日は母子だけの生活でした。 そんな中、どうしても赤ちゃんを誰かに預けて、大人だけで行きたいイベントがあったのです。 上の子の保育園の運動会、および発表会です。(新型コロナウィルス感染拡大防止のため在園児以外の子どもは参加禁止)
そこで、私の住んでいる区で提供しているファミリーサポートを利用してみました。 子どもを預けたい人と、子どもを預かってくれる人を、区が仲介してくれるサービスです。 2週間以上前に要調整、事前に預け先との面接が必要、など、最初は手続きも多いですが、これも安心のためです。 預かってくれた方には時間に応じた金額の謝礼を支払う決まりになっています。
区の仲介で出会った方に、下の子を数時間~半日ほど預かっていただき、とても良くしていただきました。 人の子どもを数時間預かるのは本当に大変だと思います。 本当にありがとうございました。
リスキリング
育休中のリスキリングが話題になっていましたが、私は無理のない範囲で好きな勉強をしておりました。 IT・セキュリティ関連ではなく、まったく違う分野の勉強をしていました。
育児に多少余裕ができたころ、整理収納アドバイザーの資格に挑戦しました。 目的は、仕事復帰後も家事、育児を効率良くこなし、自分の時間を作るためです。 整理収納力を身に着ければ、無駄な探し物がなくなり、自分のキャパシティを超えるたくさんのモノの管理に追われることがなくなり、その分自由な時間が増えると考えたからです。
私は最終的に準1級まで取ることができました。 オンライン授業が導入されており、子どもの面倒を見ながら受講するのも大変助かりました。 しかし、やはり育休中の人間がリスキリングをするためには、子どもの預け先が必要だと感じました。 育児中は一瞬でも子どもから目を離すことはできません。 勉強と監視を並行して行うにはリソースが足りないからです。 安心安全で、手続きが容易、予約が取りやすく、1歳未満の子どもでも短時間から預かってくれる、安価なサービスが広まることを期待しています。
他にも、資格などはありませんが、お金の勉強をしました。 昨年はiDeCoの利用者が拡充されたり、来年は新NISAが開始されたりと、ニュースで話題に上がることが多かったので、身につけておきたいと思ったからです。 YouTube の人気動画を見たり、本を読んだりしました。
CSS2022実行委員会活動
私的な活動として、コンピュータセキュリティシンポジウム2022の実行委員会に参加しました。 今年は熊本で開催されたため、二人の子どもを置いて初めて遠方に出かけました。 その間、夫は1人で2人の子どもの面倒を見てくれていました。 1人の大変さはよく分かります。本当にありがとうございました。
当日は主に裏でバタバタしていて、肝心の講演はほとんど見られませんでしたが、有意義な経験でした。
CTF for Girls活動
SECCON 2022 電脳会議で開かれたCTF for Girlsの出張ワークショップに運営として参加しました。 ずっと活動しているCTF for Girlsですが、育休中はできる範囲で細々と参加しています。 このときは、第2子が産まれてから初めての現地参加です。 外出機会が減り、なかなか会うことができなかったメンバーのみなさんとも実際に顔を合わせることができ、うれしかったです。 オンラインには良い所がたくさんありますが、実際に会うコミュニケーションにはまた違った良い所がたくさんあることを実感しました。
おわりに
育休中には、子どもが小さい頃にしか味わえないのだろうなと思う幸せなことがたくさんありました。 お仕事に戻り、家族が一緒にいられる時間は短くなりますが、その分、一緒にいる時間を大切にしたいと思います。


記事の著者
ホワイトハッカーチームのアナリストとして主にWebアプリケーション・ネットワークのセキュリティ診断などの業務に従事。 過去にはファイアウォールのようなネットワーク機器のプレSE、フォレンジックやマルウェア解析などに従事していた。 社外ではCTF for GIRLS運営メンバーとして主にWeb、ネットワーク系の講義や演習問題作成を担当。 学生時代から情報セキュリティを専攻し、CTFへも度々参加していた。 CTFを教育ツールとして流行らせたいという強い思いがある。 2人の子どもを持つママさんハッカーなのできちんと定時に帰る。
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