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セキュリティマネジメント

2025.08.28

1歳児育児と有事のオペレーション──家庭版"事業継続計画"について考える

1歳児育児と有事のオペレーション──家庭版"事業継続計画"について考える

育児とセキュリティの交差点から

2025年5月に育休から復帰し、現在は1歳の息子を育てながらコンサルタントとしてお客さまのセキュリティ戦略策定を支援しています。 初めての投稿となる今回は、育児の現場で思わぬかたちで「セキュリティ」と重なった体験を振り返り、家庭におけるBCP(事業継続計画)の必要性について考えてみたいと思います。


通勤中に発熱連絡──家庭内BCPの発動

7時に家を出て出社中だったある朝、夫からLINEが届きました。

「息子、37.6℃ある。保育園いけないかも。」

保育園の登園ルールでは37.5℃以上はNG。 うそ・・・朝あんなに元気だったのに。そう思いながらも、そのときすべきタスクが頭の中に浮かびました。

  • 登園不可の判断
  • 病児保育(後述)の予約
  • 保育園・職場への連絡
  • 家族内での役割分担と病児保育へ向かう準備

しかし私は満員電車の中。スマートフォン1つで次々と判断・対応に追われる状況でした。


備えはあっても、回らない

病児保育とは、体調不良などで通常の保育園に登園できない子どもを、一時的に預かってくれる福祉サービスです。 医療機関や専用施設で看護師や保育士が対応してくれるため、保護者が仕事を休めない場合の選択肢として非常にありがたい存在です。 我が家では、病児保育を何度か利用したことがありました。

病児保育の予約、Web連絡帳の入力などは私が通勤中に行い、夫が送迎を担当。 事前に必要書類を記入・保管していたこともあり、ある程度スムーズに対応できました。 しかし実際には、限られた時間で夫がひとりで対応できる状態ではなかったことを痛感しました。

項目 状態 問題点
登園判断 夫も基準を把握済 次のアクション判断は私に依存
病児保育 私が予約、夫が送迎 夫は予約経験がなく、手順が不明だった
書類準備 事前準備済 保管場所が決まっていなかった
持ち物準備 Web確認可 収納場所が共有されておらず私が逐一指示

指示と共有が「人」依存

病児保育では、普段の保育園と比べて持ち物の種類や量が多く、内容も特殊です。 我が家では日常使いのアイテムの配置は夫と共有していましたが、病児保育特有の持ち物については共有できておらず、準備の段階でつまずきが生じました。

満員電車でもみくちゃにされながら、私はスマートフォン片手にLINEで指示を送ります。

  • 「記入済の申請書は青いファイルに入っている」
  • 「この引き出しにあるおやつを持っていく必要がある」
  • 「タオルは通常とは違い2枚必要」

Webサイトでリストは確認できても、"どこにあるか"と"今すぐ出せるか"は別問題。 改めて、引き継げる状態での準備設計の重要性を実感しました。


家庭内BCP、4つの観点で考えてみた

この経験をもとに、家庭内でもBCP的な視点で整備すべき要素が見えてきました。

  1. トリガー定義と判断基準の共通化  例:37.5℃以上で登園不可

  2. 引き継ぎ可能な業務整理  予約・連絡・準備の全工程を特定個人に依存させない

  3. 必要情報の可視化  持ち物リストと配置図、Webリンク、施設情報などを一元管理

  4. 平時のシミュレーション  実際に準備してみる、時間計測、役割交代など


まとめ: 平時には見えない弱点もある

セキュリティの現場でも、平時には見えない構造的な弱点が、有事に表面化することは少なくありません。 育児も同じで、日々の対応が属人化していると、いざというときに回らなくなります。

備えがあるかどうか以上に重要なのは、それが"誰でも使える形"で整備されているかどうか。 情報が共有され、判断が分散でき、実行が属人化しない──それがBCPの本質であり、家庭にも必要な視点です。

育児は、予測不能な事態への対応力を鍛える"日常の訓練場"。 セキュリティは、組織の持続性を守る"構造の設計"。 どちらも、「人に依存しすぎない仕組みづくり」が鍵になります。

これからも、家庭という小さな組織の中で、セキュリティ戦略の視点を生かしながら、 "誰が動いても回る"オペレーションを磨いていきたいと思います。

※本投稿では、生成AIにより生成された画像を使用しています。

具志 香菜子 具志 香菜子

記事の著者

具志 香菜子

シニアコンサルタント。セキュリティ戦略の策定をはじめ、サイバー攻撃対応BCP、サプライチェーンセキュリティ、海外拠点に対するセキュリティガバナンス強化など、企業の持続可能なセキュリティ体制構築を支援。現場に寄り添った実践的なアプローチを重視している。 IPA産業サイバーセキュリティセンターにて、制御システムのハッキング技術を1年間学んだ経験があり、OT領域におけるセキュリティアセスメントにも取り組んできた。 趣味は旅行。ノープランで知らない土地を歩くことで、新たな視点を得たり、リフレッシュしたりする時間を大切にしている。

RISS、Industrial Cyber Security Expert

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