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弁護士・猪木俊宏氏に聞く「法律実務から見るネットサービスのポイント」(前編)(2/3)


今後事業者間で進んでいくことが予想される「利用規約の共通化」

★最近の取り組みでは、「利用規約ナイト」というイベントがありました。

 「利用規約ナイト」は、2012年3月と2013年1月の2回開催しました。もともと、想創社の藤川真一さんが企画したもので、主にWebサービスのスタートアップベンチャーを対象にした「利用規約の作り方」の知見を共有するイベントです。私は、藤川さんの会社の顧問弁護士だったのでご協力した次第です。

猪木俊宏氏

★第2回のテーマはどういうものだったのですか?

 利用規約と、主に企業サイドから見たWeb事業全体のリスクマネジメントの話ですね。1回目は、法務担当者がいないようなスタートアップの経営者が30人くらいに来ていただいて、好評だったので、2回目は規模を大きくして80人で募集をかけたのですが、わずか1日で埋まってしまいました。

★注目度も高まっているのですね。

 今回は、法務担当者と弁護士が多かったですね。登壇者のブログ等での告知の影響もあったと思いますが、会場のスーツ率が高かったのが印象的でした(笑)。

★イベントでの印象的なエピソードがあれば教えて下さい。

 私は今回、パネルディスカッションのみの参加でしたが、その中で印象に残ったのは、アメリカでは「利用規約の共通化」が進んでいるという話です。

★共通化ですか。

 契約書もそうなのですが、一般条項は大体内容が似ていて、その他の独自の条項というのは実は思ったよりも多くないのです。そうであるなら、共通化できる条項は共通化してしまえば、企業側も効率的ですし、ユーザー側から見ても、共通事項は内容が一緒なので、一度読んでおけばいいということになります。もともと、契約書や規約は共通化して標準化されていった方が、取引の仕組みに対する信頼性が高まるという側面があるのですね。ですから、どんどん共通化していった方がいいと思います。

★確かに、独自条項だらけの規約は読む方も大変です。

 そうですね。あまりに独自の規約ばかりになってしまうと、いちいち細かく見て、検討していかないといけないので、取引がしにくくなるというデメリットはあると思います。もちろん、そもそもの話として、利用規約はそれほど読まれる性質のものではないのですが(笑)。やはり、利用規約が一番読まれるのは場面というのは、何かトラブルが発生したときなのですね。

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