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弁護士・猪木俊宏氏に聞く「法律実務から見るネットサービスのポイント」(前編)(1/3)

 ITスタートアップ(※)ベンチャーに特化した弁護士として活動中の猪木俊宏氏。企業法務等に携わる傍ら、スタートアップの起業家向けに「無料法律相談」を実施し、また、自らも複数のスタートアップに投資する個人投資家としての顔もお持ちです。今回のインタビュー前編では、ネットサービスと法律という観点から、「利用規約ナイト」のエピソードや、ユーザー視点で気をつけたいセキュリティのポイントなどについてお話をお伺いしました。

(※)スタートアップとは、起業することの意。スタートアップ企業とは、起業したばかりの企業を指す。

猪木俊宏氏

猪木俊宏(いぎ・としひろ)
弁護士・猪木法律事務所、
サイバーボンド(株)代表取締役など。

1998年、弁護士登録(第二東京弁護士会)、三井安田法律事務所に入所。2004年、三井法律事務所設立に参画し、2011年7月にITスタートアップベンチャーに特化した法律事務所として猪木法律事務所を設立。弁護士として企業法務等に携わる一方、起業から資金調達、資本政策など、スタートアップが直面する課題に対して起業支援を行っている。

金融関連全般の法律実務を経て、弁護士としてITベンチャー支援を行う

★まず、これまでの職歴や、どんなお仕事をされてきたのか教えてください。

 1998年に弁護士登録し、今年で15年になります。キャリアの半分くらいは主に金融関係の案件を扱っていました。登録して最初に在籍した弁護士事務所が金融関係を主に扱う事務所で、今ほど大規模な法律事務所がない時代で、弁護士の担当業務も今ほど細分化されておらず、おかげさまで金融全般の幅広い実務を経験させてもらうことができました。

★ITベンチャーの支援にご興味を持ち始めたのはいつ頃からですか。

 弁護士になる前からインターネットは好きでした。もともと、新しいもの好きというところがあるのかも知れません。しかし、当時はITベンチャーもまだ数もそれほど多くなく、弁護士の仕事として成り立つかどうかという思いがありました。そこで、弁護士としての経験を積んでからベンチャー支援の仕事をしようと考え直しました。幸い、金融という分野の中でも証券取引や銀行取引、証券化などのストラクチャード・ファイナンス、アセットマネジメントなど幅広く経験を積むことができたのは大きかったです。

★ベンチャー支援に関わる実務も一通り経験できたというわけですね。

 そうですね。ベンチャーに関する仕事としては、ベンチャーキャピタルや上場審査なども経験しました。その後、事務所のシニアパートナーが新しく事務所を設立するというので、それに参画しました。2004年のことです。新しい事務所ではM&Aや企業法務を主に扱っていました。その頃からIT業界との付き合いも次第に深くなっていき、2011年7月、再度独立して今の事務所の設立に至ります。現在は、ベンチャー支援に特化した活動をしています。現在は、ベンチャーキャピタルなどの投資家サイドの立場ではなく、純然たるシード・アーリーステージ(ベンチャー企業の立ち上げ直後の状態のこと)の立場での支援を行っています。

★ITスタートアップベンチャーに特化しているということですが、相談に来る方はすでに会社を立ち上げている経営者が多いのですか?

 はい。もちろん、これから立ち上げようという方もいらっしゃいます。これから立ち上げようという方は、いきなりお金を出して法律相談というのがなかなかしづらい事情もあるので、無料の法律相談を実施しています。

★無料法律相談はいつ頃から行っているのですか?

 独立して1年後の2012年7月からです。相談内容としては、サービスを出す前、出した直後の相談が多いですね。利用規約や契約関係、あるいは、このサービスは法律上問題ないかといったような内容です。あと、これはIT業界特有の話かどうかはわかりませんが、相談に来るお客さんがスーツを着ない方が多いので、私もスーツを着るのをやめました。最初はもちろんスーツ姿で仕事をしていたのですが、今はむしろ、スーツを着ると雰囲気が浮いてしまうためです(笑)。

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