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発信者情報開示に関するガイドライン策定(2)−ネット上の権利侵害に対して−

名誉毀損や著作権侵害といった、ネット上の“違法・有害情報”への対応について、総務省と業界団体は、いわゆるプロバイダ責任制限法の4条部分にあたる「発信者情報開示制度」に関するガイドラインを、早ければこの2月にも導入する予定だ。

本エントリーでは、引き続き、ガイドライン策定のメリットとデメリットについて述べる。

<参照記事>
発信者情報:同意なしで開示へ ネット被害で業界が新指針(毎日新聞)


ガイドライン策定のメリットとデメリット

では、このガイドラインにより、どのようなメリットがあるのだろうか。まず、「何が違法か」が明確になることで当該情報が通報されたときの対応が迅速に行えるように点だろう。法務部門を持たないような個人や中小事業者でも、ガイドラインに照らし合わせることで的確に違法性を判断できるようになる。被害者側にとっては、これまでは発信者が開示を拒否すれば、誰が悪質な情報を流したか分からず、泣き寝入りするケースがあったが、そうしたケースの救済になる可能性もある。

一方で、発信者情報を開示することは「通信の秘密」のせめぎ合いから、非常にナーバスな問題であることも事実。また、発信者情報が制裁や報復などに悪用されることのないよう、プロバイダ側は法律上明確かつ慎重な判断が求められることも忘れてはいけない。

事実、上記新聞記事では、名誉毀損についてガイドライン原案が一定の配慮を示していると記している。

名誉棄損については、プロバイダーによる任意の発信者情報開示をあまり広く認めると「政治家や企業経営者らの不正や問題点の内部告発までネット上からしめ出す懸念もある」(業界団体幹部)と判断。これまでの名誉棄損裁判の判例も踏まえ、公共性や公益性、真実性などが認められない個人への誹謗(ひぼう)や中傷に限って自主的な開示の対象とする。

業界団体と総務省は、事業者や個人からパブリックコメントを募った上で、発信者情報開示のガイドラインを早ければこの2月にも導入する方針とのこと。今後もその動向に注目していきたい。

関連キーワード:

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発信者情報開示

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