2011年12月のIT総括

2011年12月に話題となったIT関連のトピックスにつき、概要と参考URLを記していきます。

ブラウザシェア、Chromeが初めてFirefoxを抜き2位に

アイルランドのアクセス解析サービス企業StatCounter社が12月1日(現地時間)に発表した調査結果によると、11月の世界のブラウザシェアで、Google ChromeがMozilla Firefoxを抜き、Internet Explorer(IE)に次ぐ2位になりました。

これによると、Chromeは25.69%(前年同月比4.66ポイント増)、Firefoxは25.23%(同6.98ポイント減)、1位のIEは40.63%(同15.94ポイント減)と大きくシェアを減らしています。

なお、日本における11月のブラウザシェアは、1位がIE(53.85%)、2位がFirefox(19.18%)、3位がChrome(16.82%)でした。

Google Chrome、世界ブラウザ市場で初のFirefox超え(ITmedia)
(英文)StatCounter社の発表

モバイルユーザーの情報を収集する「Carrier IQ」が問題に

モバイル端末のユーザーの情報を無断で記録して携帯電話会社に送信するソフト「Carrier IQが」11月中旬頃より報道され、問題視されました。Android搭載のスマートフォンやApple社製のモバイル端末などに搭載されていることが明らかになりました。

Carrier IQとは、モバイルサービスを手がける米国のCarrier IQ社が提供する、ユーザー情報を集めて分析するためのソフトウェア(サービス)のこと。同社のWebサイトでは、「携帯電話からのデータを分析して提供し、モバイルキャリアとデバイスメーカーがユーザーのモバイル体験について優れた洞察を得られるようにする」と説明しています。

セキュリティ専門家などによると、Android端末に搭載されているCarrier IQは、キー入力からSMSメッセージやWeb閲覧履歴などあらゆる情報を収集可能とのことで、また、Carrier IQは端末の奥深くに埋め込まれていることから、ユーザーの手でこのソフトウェアを削除することはほとんど不可能であるということです。

一方、アップル社は、iOS 5においてCarrier IQのサポートを打ち切り、今後のアップデートで削除する予定であることや、Carrier IQはユーザーのオプトインによって起動すること、データは匿名で暗号化されて送信され、個人情報は含まれないといった内容の談話を発表しています。

(英文)Carrier IQのサイト
(英文)chpwn氏のブログ
(英文)Wall Street Journalのブログ「AllThingsD」
ユーザー情報を収集する「Carrier IQ」、Appleも使用認める---米報道(PCオンライン)
携帯ユーザーの情報を記録するCarrier IQソフト、iPhoneにも搭載されていた(ITmedia)
キャリアが仕込むプライバシー侵害アプリ、Carrier IQの発見、対処法―iPhone版も存在した(TechCrunch)

「バルス」がツイート投稿数の新記録を達成

Twitterの公式アカウントによると、12月14日に放映された『天空の城ラピュタ』において、1秒あたりのツイート投稿数が25,088ツイートに達し、世界中で新記録を達成したことが明らかになりました。

これは、同作品のクライマックスで主人公が唱える呪文「バルス」のセリフに関連するものと見られます。数年前より、匿名掲示板などで主人公が「バルス」を唱えるシーンで、「バルス」と書き込むことが"お約束"となっており、これが今回のTwitterの記録につながった模様。これまでの1秒あたりのツイート投稿数の記録は、8月に米国で、MTVビデオミュージックアワードでビヨンセが自身の妊娠を明らかにした瞬間の1秒あたり8,868ツイートでした。

Twitter公式アカウントによる発表
「バルス」でTwitter新記録 - 1秒に25088ツイートと公式発表(マイナビニュース)

Android版Google日本語入力をリリース

Googleは12月15日、Android版「Google 日本語入力」(ベータ版)を公開しました。これは、Windows 版/Mac版(2009年12月)、オープンソース版(2010年5月)に続く公開です。

これまで好評を博した、豊富な語彙力や強力なサジェスト機能に加え、Android搭載端末に適した入力方法を備えるだけでなく、デスクトップ版で人気の機能や語彙をなるべくそのままモバイルでも使えるよう機能強化が図られています。例えば、モバイルで日本語を入力するときによく使われそうな語彙を中心に辞書の構築を行なうことで、メールを書く、地図を検索する、SNSに書き込むといった、モバイルならではの使い方において、強力な日本語入力をサポートするということです。

思いどおりの日本語入力をモバイルでも。Android 版 Google 日本語入力をリリース。(Google Japan Blog)
動画:Android版 Google 日本語入力 beta 提供開始(Engadget Japanese)

2012年より「Internet Explorer」の自動アップグレードが開始

マイクロソフトは、2012年より、「Internet Explorer」(IE)の自動アップグレードを予定していることをブログで発表しました。当初は、オーストラリアとブラジルを対象に行われます。これにより、E6やIE7を使っているWindows XPではIE8が、IE9よりも古いバージョンを利用しているWindows Vista/7ではIE9がインストールされます。この際、ユーザーに対してIEをアップグレードする旨の確認ダイアログが表示されることはなく、Windows Updateを実施すると自動的にアップグレードが実施されるということです。

対象地域については、今後、状況を見ながら他の国や地域でも同様のサービスを開始する予定です。

(英文)マイクロソフトのブログによる発表
「Internet Explorer」2012年より自動アップグレードを開始(情報セキュリティブログ)

携帯電話番号、新たに「070」が解禁へ

12月20日、総務省の審議会は「070」で始まる電話番号を、携帯電話でも使えるようにするのが適当とする答申案をおおむね了承したと報じられました。

「070」はこれまでPHS用に利用されている番号で、スマートフォンの普及など携帯電話の番号を利用した機器が増加していることに対応し、携帯電話用に確保されるものです。報道されている記事によれば、「090」「080」で始まる携帯電話の番号で残っているのは現在約1,930万件。年間約700万件のペースで使われると見込まれており、番号不足が懸念されています。

新たに携帯番号に「070」 総務省、スマホ増に対応(47NEWS)

東野圭吾さんら作家7名がスキャン代行業者2社を提訴

紙の出版物などをスキャンしてデジタルデータ化し、タブレット端末等で閲覧可能にする行為、いわゆる「自炊」について、12月20日、裁断機やスキャナーを用いて書籍を電子化する自炊代行業者2社を相手取り、作家、漫画家7名がスキャン行為の差し止めを求める訴訟を東京地裁に提起しました。

原告は浅田次郎氏や東野圭吾氏、弘兼憲史氏ら作家・漫画家7名で、原告側は、書籍の著作権者の許諾なく不特定多数の利用者から注文を受け、多くの書籍をスキャンして電子ファイルを作成、納品する行為は、著作権法上の複製権侵害に該当するとして、同行為の差し止めを請求しています。

さらに原告側は、書籍の電子ファイルが無許諾の事業者により無秩序に、大量に作成されることは、電子書籍の市場の形成を大きく阻害しかねないと主張しています。

これに対し、ネット上では、スキャン業者の行為は著作権法上の私的複製の範囲を逸脱している可能性があるものの、利用実態を冷静に検証することが電子書籍市場の発展につながるといった意見をはじめ活発な議論を呼んでおり、裁判で司法がどのような判断を下すかに注目が集まります。

なお、「自炊」の由来は「自吸い」、つまり、もともとはゲームソフトなどのROMデータを特殊な機器を用いてパソコン上に吸い出すアングラ行為を指すものといわれています。アマゾンのKindleやアップルのiPadの登場などにより、書籍をスキャンし、デジタルデータとして私的に楽しむ行為全般を指すようになりました。

東野圭吾氏ら作家7人、書籍スキャン"自炊"代行業者を提訴(INTERNET Watch)
東野圭吾さんらの提訴に関する津田さん、おかざき真里さん、大原ケイさん、赤木智弘さんの呟きまとめ。(Togetter)
逆の明文化となるか:東野圭吾さんら作家7名がスキャン代行業者2社を提訴――その意図(eBook USER)
スキャン代行業者提訴で作家7名はかく語りき(eBook USER)

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